ボロ儲けの医師。死にまくりの情弱国民。
定めし朗報である。感染拡大防止の行動制限こそないが、専門家や医師会は「油断できない」と発信。マスクは外せず、大人数で集まるのがはばかられる日々が続く。そんな中、東京都医師会は大規模な忘年会を開催していた。 【写真を見る】コンパニオンを呼んで宴会 会場となったパレスホテル東京 ***
新型コロナもようやく、感染法上の位置付けが、季節性インフルエンザなどと同じ5類になることが決まったが、5月8日までは2類相当のままだ。まだまだ自粛ムードはやまず、東京商工リサーチの調査によれば、今年度も約7割の企業が、忘年会と新年会を自粛したという。 だが、実は、控える必要などなかったらしい。第8波が拡大中だと、一部では大騒ぎをしていた昨年12月21日、丸の内の皇居を望む一等地に建つパレスホテル東京に、300名近くを集めて年末懇親会、早い話が忘年会を行っていたのは、東京都医師会であった。
「コンパニオンも呼ばれた」
なにしろ、医師会自らの忘年会だから、どこまでやってもいいのか、よい目安になるはずなので、内容を確認しておいたほうがいい。宴会の工程表を見たパレスホテルの従業員が話す。 「12月21日の18時半から20時半で、会場は大宴会場の“葵”。広さ1160平方メートルです。来賓は小池百合子都知事のほか、日本医師会の松本吉郎会長、自民党の丸川珠代議員、公明党の山口那津男代表……ほかにも大勢の議員の名前がありました。19時15分から55分まではコンサートが開催され、会場にピアノとチェロ、バイオリンが運ばれていました。コンパニオンも呼ばれたようです」 続きを聞こう。 「参加予定者は331人で、参加費は1人1万6千円。前菜、魚、肉、デザートのフルコースが出されたと思われ、ホテルが用意したお酒の料金は107万円。それ以外に、東京都医師会が独自に、各テーブルに全部で40本程度、1本2万3千円の赤ワインを用意していました」
どんな会なのか
そもそも、どのような趣旨の会なのだろうか。出席した医師会幹部が説明する。 「都知事や都議、日本医師会の会長もお呼びして、意見交換する会で、ここ数年はパレスホテルでやっています。2020年と21年はできませんでしたが、今回は参加者には抗原検査をしてもらい、陰性を確認して来てもらうということで開催したのです。抗原検査は100%じゃありませんが、直前に行えば、リスクをかなり下げられますから。ワクチンも4回以上接種してくださいと、アナウンスしていました」 どんな意見を交換するのだろうか。 「東京都医師会が1年間、社会活動や医療活動でお世話になった方々をお呼びし、感謝を伝えるとともに、意見交換をするということです。特に大事なのは地区医師会ですね。東京には47の地区医師会と12の大学医師会等、計60の医師会があり、そこの会長や理事の先生方のほか、公衆衛生や乳幼児保健などの委員会の委員の先生方も来ています」
地区ごとに忘年会
それにしても、豪華な内容でうらやましいが。 「感染対策として、例年は800人くらい呼ぶところが、今回の参加者は270~280人程度。いつもは立食ですが、着席にしたため、お酌をしたり料理を運んだりする人が必要なので、コンパニオンを呼びました。ピアノ演奏は、音楽をやっているお医者さんに演奏してもらっただけです」 マスクはどうか。 「食事の席なのだから外していますよ。それに、年末懇親会は各地区医師会でもやっていました」 なんと、東京都医師会では、そこらじゅうで忘年会が行われていたという。
写真フォルダ、通信履歴を開示させられた従業員も
それなのにホテル側が余計な忖度をしたようで、先の従業員が言う。 「1月19日にYouTubeでこの会の内容が配信され、SNSで拡散されると、ホテル内では勤務中の携帯電話所持が禁止になりました。宴会の様子や工程表などを撮影し、SNSで流さないように、ということでしょう。実際、情報を流していないか聞き取りを受けた従業員、携帯の写真フォルダから通信履歴まで、強制的に開示させられた従業員もいると聞きました」 前出の医師会幹部も「まったく後ろ指を差されるようなことではありません」と断言しているのだが、なぜホテルは要らぬ忖度をして、情報統制をするのか。 「東京都医師会の尾崎治夫会長は、年末懇親会の直前の12月13日にも、“5類に近い新しい分類にすべきだ”と、5類にすることに疑問を示し、“新型コロナは空気感染があるので、インフルエンザとは違う”と発言していましたからね」 と、医師会に詳しい医療担当記者が言う。 「1月10日の会見でも、尾崎会長は“私どもの立場からすれば、医療や介護に従事している方のすべてが一息ついたときが、本当に行動制限がない状態で、まだまだそういう状態には至っていないと考えている”と語りました。その際に配布された資料にも“会食の際には、気心の知れた仲間と、できれば個室で”と書いてあったのです」
医師会の最大の問題
医師会が常々アナウンスしている内容にくらべ、年末懇親会がぶっ飛んでいたので、ホテル側が「バレてはいけない」と思い込んでしまった、ということか。 この忘年会から判断するに、東京都医師会の「私ども」は、行動制限など要らないと確信していることは明らかだが、尾崎会長はだれに遠慮をして、そうハッキリ伝えないのだろうか。 老年医学が専門の精神科医、和田秀樹氏は、 「医師会もコロナがたいして怖くない病気だとわかっているのでしょう」 と言い、こう続ける。 「いま医師会の最大の問題は、5類に慎重なことです。医者には応召義務があって、患者が来たら断れず、断って医師法違反で訴える市民団体が現れたら、裁判所も対応しなければいけません。でも、2類ならいろんなルールが課され、設備がない、人員がないという理由で患者を断れます。多くの医者は患者を断れなくなるのが嫌で、5類にしたくないのだと、私は思っています」
「開催を決断しました」
身内の利益のために本音を隠しているとしたら困ったものだが、お手本を示した以上、医師会も腹をくくったはずである。東京都医師会に尋ねると、 「今回は人数を制限し、着席スタイルで開催。席間の距離を十分に保ち、換気にも十分に配慮しました。また出席者全員に、抗原検査で陰性を確認のうえご来場いただくよう依頼しました。ピアノ五重奏は、ゆっくりと食事していただけるように実施しました」 そして、最後に加えた。 「さまざまなご意見があるのは承知していますが、本会として開催を決断しました」