車で生活する人が急増!?…日本人が「今後3年以内」に直面する“絶望の未来”【経済学者が警告】

車で生活する人が急増!?…日本人が「今後3年以内」に直面する“絶望の未来”【経済学者が警告】

 

世界不平等研究所(本部・パリ)によると、世界全体の個人資産のうち約4割は「上位1%の超富裕層」が占めているそうです。こうした経済格差は年々拡大しており、先進国のなかでは比較的格差の小さい日本も、今後3年のあいだに「取り返しのつかない格差が生じる」と、近畿大学世界経済研究所の客員教授で投資家・ストラテジストの菅下清廣氏はいいます。では、待ち受ける“絶望の未来”を回避するにはどうすればよいか、みていきましょう。

どんどん拡大し続ける「貧富の差」

2019年から2021年にかけての純金融資産保有額は、富裕層では9.7%、超富裕層では8.2%増加、総額は333364兆円にも上ります。

 

30年という長きにわたり日本はデフレ経済に苦しみ、今なお完全にはデフレから脱却できていない状況ですが、この間に経済的格差はどんどん広がったのです。

 

OECD経済協力開発機構)の統計では、日本の富裕層の世帯数が増加していることは明らかですが、世界水準から見ればまだそれほどではない。日本の富裕層の数は先進7ヵ国の中でもそれほど多くはありません。

 

富裕層が日本のGDPに占める割合はおよそ17%。日本国民の全金融資産の中で、富裕層が占める資産の総額は約16%〜17%ですが、アメリカやG7などの先進国では、最上位を占めるたった1%ほどの超富裕層の資産総額が、全体の約4割を占めるようなところもあります。欧米先進国では、それほど富の格差、経済的格差が拡がっているのです。

 

日本の超富裕層の占める割合はまだアメリカの水準の3分の1程度。しかし、これから日本でもアメリカ並みに格差が広がっていくことは間違いないと思います。なぜなら、日本も確実にインフレに向かっているからです。

 

この数年で見れば、投資をしていた人としていない人の差はまだ大きく開いていないかもしれませんが、これからはもうそれではすまないでしょう。この点をまず第一に力説しておかなければなりません。

日本の未来は先行するアメリカを見れば明らか

現在より格差が拡がれば取り返すことのできない、取り戻すことのできない生活レベルの低下を招くことになりかねません。

 

強烈な金融と資産の格差は、短期的には2023年からの3年間、長期的にはこれから510年間で大きく拡大すると予測できます。

 

アメリカではすでにお金持ちと貧乏人のボーダーラインが明確に線引きされています。貧困から成り上がって勝ち組に残れる確率、アメリカンドリームをまだ夢見ることができる可能性は極めて低くなっています。

 

プロのスポーツ選手やアーティスト、俳優など、夢のようなチャンスと運に恵まれたひと握りの人しか成功できない、そんな現実にすでに直面しています。そうしたプロセスでしか成功も富も得ることはできない。それほど格差は拡がっている。

 

幸運にも日本はまだそこまでは行っていません。お金持ちになれるチャンスはまだ残されている。これからの3年間が重要な節目になることは間違いありません。2023年から2025年までの約3年間が、資産形成のラストチャンスになるかもしれない。

 

なぜなら、この3年間で格差が致命的に拡がる恐れがあるからです。

3年以内にやってくる恐怖の未来…マイホームが夢のまた夢に!?

何もしなければ、これからの3年間、長く見ても5年の間に、私たちの社会に取り返しのつかない格差が拡がると予見できる。そうなれば自分の家を持つことさえ夢となるでしょう。

 

持ち家など一生不可能になるかもしれない。給与所得だけでは生活は逼迫するだけ。日本のサラリーマンの大多数を占める中小企業の賃金は上がらず、しかも物価は上昇し続けている。資源、エネルギー、食品だけでなく、多品目、ほぼ全品目が物価上昇しています。

 

これからはさらにあらゆる日常品、食品、生活必需品が軒並み値上がりしていくでしょう。家計を圧迫し続ける。その上さらに家賃が上がれば、家にすら住めなくなるかもしれません。

 

アメリカの低所得者の一部は家に住むことすらできなくなっています。トレーラーを住居にする人たちが増えている。家ではなく車両で生活しているのです。

 

 

菅下 清廣

スガシタパートナーズ株式会社

代表取締役社長