コロナ)ストレスで脳が老化

脳のストレスと「老化」

大脳皮質は、脳の外層を構成するニューロンの束で、高度な推論、言語、および記憶に関連している。同様に、同じく集中力、学習、記憶に関連する海馬と、感情の調節と衝動の制御に関連する扁桃体は、子供が成熟するにつれて成長する。

しかし、以前の研究では、虐待やネグレクトなどの深刻な逆境を経験した子供たちは、脳の皮質が薄くなり、扁桃体や海馬の領域が腫れて早期老化が見られることが示されている。

有毒なストレスに関連する場合、これらの変化は、記憶や学習の問題、不安やうつ病などの精神疾患のリスクが高くなることに関連している。これは、パンデミック以降、ティーンエイジャーの間でメンタルヘルス障害が急増していることを説明する理由となる可能性がある。

研究者は以下のように述べる。

「 15歳の若者の脳が 18歳または 19歳の脳のように見えることは、大した意味がないように感じられるかもしれません。しかし、私が非常に重要だと思うのは、そのような変化が、メンタルヘルスの悪化に見られる、不安や、うつ、自殺念慮、そして悲しみと恐怖の増加と関係することなのです。 それらには脳の変化が伴うことが示されています」

しかし、この調査結果は、十代の若者たちが、学問的または感情的にパンデミック前の状態に回復できないことを意味するものではない。

脳の可塑性(新しい情報や環境に適応する能力)は、さまざまな年齢の青少年の間でそれほど違いはない。むしろ、「学校のスタッフにはメンタルヘルスのデータに注意を払い、精神的苦痛の兆候を示している十代の若者たちをできる限りサポートするようにしてもらいたいと考えています」と研究者は述べている。

最近のある調査では、思春期の若者たちの圧倒的多数が、不安、抑うつ、ストレスが学習の最大の障壁になっていると報告している。

今回の研究チームは、これら十代の若者たちが 20歳になった時に、再度脳をスキャンして、脳がパンデミック前の発達軌道に戻っているかどうか、または変化が時間の経過とともに続いているかどうかを判断することを計画している。

「脳の老化状態が続くのか、それとも(脳の老化が)パンデミックのストレスに対する一時的な反応なのかはわかりません」と研究者は言う。

「老化の加速は、彼らを元の年齢に戻すのを遅らせる可能性があります」

earthreview.net