中国国立感染症センター所長が、全土の感染率が「80%を超える可能性がある」と指摘。内モンゴルの調査では、「無症候性の感染者は全体のたった1.75%」であることも判明

投稿日：2023年1月2日

2023年の国民への新年の挨拶を穏やかな表情で行った習近平国家主席

Global Times

無症候性の感染者がほとんどいない

現在、中国で感染が続いているコロナの特徴のひとつに「感染した人たちのほとんどに症状が出る」と考えられることでした。従来のコロナは、むしろ無症候性が多かったと思われますが、そこがかなり異なる部分ではあります。

最近、中国保健当局は、各地で、オンラインによる聞き取り調査による感染状況の把握を続けていますが、最新の報道で、内モンゴルのオルドス市での調査結果が発表されていました。

中国共産党の機関紙「人民日報」傘下のメディアであるグローバルタイムズの報道では、以下のような数字が示されていました。

内モンゴル・オルドス市のコロナ感染状況の調査より

・感染率　人口 27,502人のうち 16,562 人が感染（感染率 60.22%）

四川省での 63パーセントの感染率同様の、驚くような高い感染率ですが、驚いたのは、その「無症候性の割合の低さ」でした。

・無症候性の感染者　1.75 %

しかし、この無症候性に関していえば、「症状がないので、自分が感染しているかどうかわからない」という事例もありそうで、つまり、実際の感染率が、60%よりさらに高い可能性もあります。

なお、症状は軽症が圧倒的なようですが、このオルドス市の調査結果ではよくわかりません。

上海での入院者への調査では以下のようだったと報じられています。

・99.67 % が軽度または一般的な症状

・3.03 % が重症

このようになっていました。

オルドス市の調査結果についての記事をまずご紹介します。

その後、中国国立感染症センターの所長が、「春節期間中の感染率は 80%に達する可能性がある」と指摘したという報道もご紹介します。

中国北部の内モンゴル自治区オルドス市での最新の調査によると、COVID-19 に感染した 16,000 人以上の住民のうち、約 1.75% だけが症状を報告されなかった。保健当局によると、オルドス市の COVID-19 感染率は 60% を超えた。

ここ数日で、中国の他の多くの地域が住民の健康状態に関する調査報告書を発表した。中国南西部の四川省もまた、同省の感染率が 60%を超えていると述べ、中国最南端の海南省では予想される感染率が 50%に達した。

オルドス市のデータによると、COVID-19 に感染していると自認した 16,562 人の住民のうち、78.89% が発熱、68.93% が頭痛、64.88% が咳、61.98% が筋肉痛の症状を訴えた。

また、味覚や嗅覚の喪失、下痢、呼吸困難などの症状の報告もあった。

回答したしたすべての感染者のうち、症状を報告しなかったのはわずか 1.75% だった。

調査に参加した 27,502 人のオルドス市住民のうち、16,562 人、つまり 60.22% が COVID-19 感染を報告した。

16,000 人以上の感染者のうち、0.81% が病院の外来診療所で診察を受け、0.19% が入院し、0.78% がインターネット経由で受診し、12.81% が医師の診察を受けず、薬も服用していなかった。残りの 85% の患者は、自分で薬を服用していた。

薬を服用している患者のうち、10.61％が漢方薬を服用し、44.75％が伝統的な漢方薬（TMC）を服用し、75.28％が西洋薬を服用していた。.

調査に参加した 27,502 人のうち、4.33% が 4 回のワクチン接種を受け、70.61% が 3 回のワクチン接種を受け、18.16% が 2 回のワクチン接種を受けた。ワクチン接種を受けていなかったのは、4.48％だった。

同じ家に住んでいる人が感染したと報告した人は約 13,677人で、そのうち 4,181人の患者が、自宅にいる 60歳以上の高齢者が感染したと報告した。また、7,337人が、同居している未成年者も感染したと報告した。

ここまでです。

以下は、中国国立感染症センターの所長の見解についての報道です。

感染率は、80%、人口として 11億人に達するとしています。

中国共産党国立感染症センターの張文宏所長は、数日前のオンライン講義で、春節期間中の感染率は 80%に達する可能性があると指摘した。中国で 11億人がコロナウイルスに感染するということだ。

張文宏所長の分析によると、現在の上海の感染者数は「数千万人」だ。人口約 1000万人の海南省では、公式に感染率が 50%と推定されている。四川省でのアンケート調査によると、感染率は 63％で、人口約 8300万人のうち 5200万人が感染した。

英国の健康データ会社であるエアフィニティ社は、中国でのこの流行の波は 1月13日にピークに達し、1日あたり 25,000人が死亡し、3月に主に農村部で流行の第2波が現れると分析した。